2006年 - 2007年
昆虫の成長におけるRasタンパク質の機能解明
文部科学省 科学研究費補助金(基盤研究(C)) 基盤研究(C)
- 課題番号
- 18580057
- 体系的課題番号
- JP18580057
- 担当区分
- 研究代表者
- 配分額
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- (総額)
- 3,790,000円
- (直接経費)
- 3,400,000円
- (間接経費)
- 390,000円
- 資金種別
- 競争的資金
始めはがん遺伝子産物として報告されたRasタンパク質は、一般細胞の分化や増殖に関わることが分かってきた。昆虫ではショウジョウバエで近年、脱皮ホルモン活性制御への関与から、体サイズ調節にも係わっていることが示唆されたので、器官ごとに分析可能な大型なカイコを用いて遺伝子解析を行った。哺乳動物ではH-, K-, N-Rasの三種が知られており、ショウジョウバエにおいても1,2,3の3つの遺伝子が存在する。そこで、それらの配列を元に縮重プライマを設計し、カイコcDNAライブラリからRasタンパク質をコードするcDNA断片を得、RACE法により全長をコードするcDNA3種を得た。予想されるアミノ酸配列から、カイコの1,2,3中の相同性よりも、カイコとショウジョウバエの1,2,3のそれぞれの間の相同性の方が高かった。しかし昆虫の1,2,3型と哺乳動物のN-, K-, N-間の相同性は低く、系統樹解析の結果、昆虫Rasのグループと哺乳動物のグループは別のクラスターであることが分かった。成長におけるmRNA発現変動は全てのRasで認められ、5齢後半から蛹期で高い発現が観察された。Ras3のみ胚期初期でも高く、Ras2は蛹期後半で特に高かった。4齢後期と5齢中期の発現量を主要器官別に比較したところ、いずれも前蛹期のマルピーギ管で高い発現が見られた。また、Rasタンパク質を蛍光タンパク質GFPと...
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- ID情報
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- 課題番号 : 18580057
- 体系的課題番号 : JP18580057