2016年4月 - 2018年3月
植物葉上で増殖するメタノール酵母におけるストレス顆粒形成とその生理的意義の解明
日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費 特別研究員奨励費
本研究では、メタノール資化性酵母Candida boidiniiの植物葉上におけるストレス顆粒形成とその生理的意義の解明、およびメタノール資化時におけるストレス顆粒形成とその生理的意義の解明を目的に、以下の研究を行った。Processing body(P-body)およびStress granule(SG)に集積するタンパク質をコードする遺伝子をC. boidiniiにおいて複数同定し、各遺伝子破壊株の表現型、各タンパク質の細胞内動態を解析した結果、C. boidiniiにおいて、これらストレス顆粒が出芽酵母と同様の働きを担うことが示唆された。続いて、植物葉上におけるストレス顆粒形成を確認したところ、P-bodyのみその形成が観察されたことから、葉上での増殖にP-bodyが重要な役割を果たす可能性が示された。さらに、植物葉上での主要な炭素源と考えられるメタノール資化におけるストレス顆粒形成を調べるため、各種炭素源培養時のP-body、SG形成を顕微鏡にて観察したところ、SGはどの培養条件下においても形成されなかったが、メタノール培養時にのみP-bodyの著しい形成が確認された。これらの結果より、メタノール資化におけるP-body形成の重要性が示唆された。また、代表的なストレス応答因子として知られるHog1が、酵母の種を超えてストレス顆粒に局在し得ることを見出し、その局在化機構と生理的意義ついて解析した。
- ID情報
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- 課題番号 : 16J10395
- 体系的課題番号 : JP16J10395