共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2023年3月

ミュオン誘起ソフトエラー評価に向けた低速宇宙線ミュオン識別エネルギー測定系の開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究  若手研究

課題番号
21K14564
体系的課題番号
JP21K14564
配分額
(総額)
4,680,000円
(直接経費)
3,600,000円
(間接経費)
1,080,000円

宇宙線ミュオンに起因する半導体デバイスでのソフトエラー率の高精度評価のためには、計算機が実際に設置される環境における低速宇宙線ミュオンの流束の実測データが必要である。
本研究では、低エネルギー宇宙線ミュオンの流束測定において主なバックグラウンドとなる宇宙線電子由来のイベントを宇宙線ミュオン由来のイベントと弁別し、さらにその発光量から宇宙線ミュオンの運動エネルギーを測定するチェレンコフ検出器の開発を主目的としている。
本年度は同じ磁気剛性を持つ宇宙線電子と宇宙線ミュオンとをその速度の違いを利用して弁別するためのチェレンコフ検出器の設計および製作を行った。検出器設計にあたっては放射線測定に関わる実験研究者との議論を行った。改めて輻射体の材質の検討を行った結果、当初の計画通り、固体であるため取り扱いが容易で、かつ安価な紫外透過アクリルを輻射体として用いることとした。宇宙線ミュオン・宇宙線電子により発生するチェレンコフ光の収集効率を最大化するため、検出器中の輻射体の下面に直接光電子増倍管を取り付ける設計にした。また、今回の研究では既存の宇宙線ミュオン測定系の全アクセプタンスをカバーする検出器を開発することはせず、プロトタイプ検出器として既存測定系のアクセプタンス中央部分で確実に電子・ミュオン弁別を実証する方針とした。本年度の予算はチェレンコフ検出器の製作およびデータ取得回路やケーブル類の調達に使用した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K14564
ID情報
  • 課題番号 : 21K14564
  • 体系的課題番号 : JP21K14564