2007年
人は他者との関係のなかで自分をどのようにとらえているのか : 語りの分析からみる「自己と他者」
久留米大学心理学研究
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- 巻
- 6
- 号
- 開始ページ
- 27
- 終了ページ
- 42
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 久留米大学
本研究では,人は他者との関係のなかで自分をどのようにとらえているのかという問題意識のもと,「自分についての語り」と「他者との関係についての語り」を同時に分析する。「自分についての語り」と「他者との関係についての語り」が同時に語られる現象を整理し語りに類型を見出すことと,「自己と他者」についての示唆を得ることを目的とする。坂上(2004)研究の「自分についての語り」の協力者のうち,「他者(ここでは親)についての語り」がみられた4名と,新たに協力を得た1名の合計5名の語りを分析対象とした。グラウンデッド・セオリーの考え方に基づいて分析を進め,【契機】と【変化】がカテゴリーとして抽出された。前者については[自分のライフイベント経験],[自分の変化],[親の変化]の3つの概念,後者については[親への理解],[親との関係],[自分]の3概念が抽出された。これらの概念の用いられ方の違いを整理したところ,A.[自分のライフイベント経験]を契機として,[親への理解]を変化として語る形式,B.[自分の変化]を契機とし,[親への理解]と[親との関係]の変化を語る形式,C.[親の変化]を契機とし,[親への理解]と[親との関係]と[自分]の変化を語る形式の3つの類型が明らかになった。「自己と他者」について考察を加えたところ,「自己から他者」の時系列的な位置づけ,「自己から他者へ」という組織化,そして「自己と他者」の相補性が示唆された。
- リンク情報
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- CiNii Articles
- http://ci.nii.ac.jp/naid/110007183753
- CiNii Books
- http://ci.nii.ac.jp/ncid/AA11799812
- ID情報
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- ISSN : 1348-1029
- CiNii Articles ID : 110007183753
- CiNii Books ID : AA11799812
- identifiers.cinii_nr_id : 9000006968800