MISC

2020年3月

小腸穿孔を合併した卵巣粘液性境界悪性腫瘍の1例

東海産科婦人科学会雑誌
  • 柏原 優花
  • ,
  • 真川 祥一
  • ,
  • 玉石 雄也
  • ,
  • 北村 亜紗
  • ,
  • 金田 倫子
  • ,
  • 二井 理文
  • ,
  • 吉田 健太
  • ,
  • 小林 良幸
  • ,
  • 近藤 英司
  • ,
  • 池田 智明

56
開始ページ
95
終了ページ
99
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
東海産科婦人科学会

卵巣粘液性境界悪性腫瘍による小腸穿孔をきたした一例を経験したため報告する。症例は44歳女性、慢性的に経過する腹部膨満感を自覚していた。食事摂取不良、腹部膨満感の悪化、呼吸困難および発熱を主訴に前医へ救急搬送された。CTで卵巣由来の骨盤内巨大腫瘤、腹水貯留を認め、精査加療目的に当院へ転院となった。当院でのCT検査で、経30cm超の多房性嚢胞性腫瘤を認め、腫瘤内にfree airが認められた。入院8日目に腹式両側付属器摘出術を施行したところ、小腸と巨大左卵巣腫瘤の間で2ヶ所の穿孔を確認し、左卵巣腫瘍の小腸穿孔と診断した。左卵巣の最終病理診断は、粘液性境界悪性腫瘍であった。小腸との穿孔部に明らかな腫瘍浸潤像は認めなかった。巨大卵巣腫瘍に患者の低栄養状態が伴うと、小腸穿孔を合併する可能性があることを念頭に置き、今後は治療計画を立てる必要がある。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 0915-7204
  • 医中誌Web ID : 2020273331

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