MISC

2018年9月

助産師学生による女子高校生を対象としたプレコンセプショナルヘルス・ケアの概念を取り入れた健康教育(第2報)

滋賀母性衛生学会誌
  • 土川 祥
  • ,
  • 和多田 抄子
  • ,
  • 立岡 弓子

17-18
1
開始ページ
11
終了ページ
15
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
滋賀県母性衛生学会

滋賀医科大学医学部看護学科(以下、本学)助産師課程において、平成27年度から開講している"ウイメンズヘルス実習"では特に、思春期の女子高校生を対象とした健康教育の実践にプレコンセプショナルヘルス・ケアの概念を取り入れている。プレコンセプショナルヘルス・ケアの概念が健康教育を受講した女子高生にもたらした健康行動の変容への効果を検討し実践報告する。本学助産師課程4回生9名が女性高校生6名を対象に健康講座を企画・運営した。助産学生は健康教育の目標として(1)妊娠・出産、身体の仕組みを理解し自己のライフプランについて考えることができる(2)健康状態の維持・向上のため取り組める行動を考えることができる(3)デートドメスティックバイオレンス(domestic violence;以下DV)について理解し男女交際においてお互いを尊重しあえる関係性づくりの重要性を理解できるの3点を挙げプログラム構成を行った。指導の評価方法としてアンケート調査を実施し5段階評価で理解度を確認し女子高生が考えた今後取り組める行動内容を検討した。また、助産学生間においても、アンケート調査をもとに自由に振り返り指導目標に対する助産学生自身の保健指導内容に対する評価を行った。プログラム内容の理解は女子高生6名とも「よく理解できた」と回答を得た。また、取り組める行動としてセルフケア行動の必要性と自分を大切にする行動が示されており、受講した女子高生にプレコンセプショナルヘルス・ケアの考え方が伝わり、女性として自らの身体を大切に考え、健康への対処行動が行えるセルフケアの必要性が意識付けできていた。助産師学生による健康教育の構成は行動変容へ向けて段階を踏んでいけるものとなっており、助産学生自身がプレコンセプショナルヘルス・ケアを理解した上で健康教育を実践する力量を習得できていることが示唆された。今後も助産学生による健康教育の実践が継続できるよう保健行動実践への教育を継続していく意義がある。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 1880-2389
  • 医中誌Web ID : 2019061833

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