共同研究・競争的資金等の研究課題

2012年4月 - 2014年3月

土星内部磁気圏におけるダスト-プラズマ相互作用

日本学術振興会  科学研究費助成事業 特別研究員奨励費  特別研究員奨励費

課題番号
12J03324
体系的課題番号
JP12J03324
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
1,800,000円
(直接経費)
1,800,000円

土星内部磁気圏におけるダスト-プラズマ相互作用について, 過去の観測結果に基づきイオン速度が共回転速度から遅れる原因が調べられ. イオン速度はダスト密度が大きい, あるいはダスト層の厚さが厚い時に減少することが明らかとなった. また磁気圏イオン速度は電離圏電気伝導度にも強く依存することが明らかとなった. そこで本研究では電離圏電気伝導度を求めるために電離圏プラズマ密度, 速度, 温度を数値計算によって求めた. プラズマ密度は高度1200km付近で最大値10^<10>m^<-3>となった. 速度は高度10000km以下でプロトンのような軽いイオンは上向きの速度, 重いイオンは下向きの速度を持った. 特に上向き高速流イオンは土星系において初めて提案した結果である. これは遠心力及び分極電場による加速と重力によるバランスによるものと考えられる. 温度は従来の結果から極端に高くなった. 高度2000㎞付近で2000K, 高度10000kmで20000Kとなった. 低高度ではジュール加熱が, 高高度では磁気圏からの熱流が温度上昇に寄与していることが明らかとなった. 電離圏電気伝導度はローカルタイム依存性を示した. 昼間, 伝導度は最大となり明け方に最小となる. これは磁気圏イオン速度のローカルタイム依存性を示唆している. 以上の結果から, 土星内部磁気圏は強く電離圏と結合していることが分かった. これらの成果はまもなく論文投稿予定である.
カッシーニ・ラングミュアプローブのデータ解析を行い, エンセラダスプリュームのプラズマ特性を調べた. 土星内部磁気圏ではプリュームが重要なパラメターである. 電子密度とイオン密度の比はエンセラダスに近い領域で0.01, 離れると0.4となった. これはプリューム内に大量の荷電ダストが存在していることに一致している. これらの結果も論文投稿準備中である.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-12J03324
ID情報
  • 課題番号 : 12J03324
  • 体系的課題番号 : JP12J03324