論文

2018年7月

腹腔鏡下経皮的腹膜外ヘルニア閉鎖術(Laparoscopic percutaneous extraperitoneal closure:LPEC)5年間の検討

日本ヘルニア学会誌
  • 杉山 彰英
  • ,
  • 土岐 彰
  • ,
  • 千葉 正博
  • ,
  • 中山 智理
  • ,
  • 入江 理絵
  • ,
  • 大澤 俊亮
  • ,
  • 渡井 有

4
3
開始ページ
3
終了ページ
10
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
日本ヘルニア学会

【はじめに】当科は2011年に小児鼠径ヘルニア(本症)に対する腹腔鏡下経皮的腹膜外ヘルニア閉鎖術(LPEC)を導入し、5年間が経過した。【目的】LPECと鼠径部切開法(鼠径法)を施行した本症を比較検討し、LPECの有用性と問題点を検討した。【対象と方法】1歳以上の本症にLPECを施行した258例(LPEC群)とLPEC導入以前に鼠径法を施行した315例(鼠径群)を対象とし、手術診断、手術時間、再発の有無、予定外手術操作の有無、術者について比較検討した。手術時の年齢と体重は両群間で差がなく、LPEC群で男児が有意に少なかった。術前診断で両側と片側の比率に差はなかった。【結果】術後診断は男児、女児ともにLPEC群は鼠径群に比べ、有意に両側例が多かった。手術時間は男児両側例のみLPEC群が鼠径群に比べ、有意に長時間であったが、その他で差はなかった。再発の発生頻度は差がなく、LPEC群に1例認めた。LPEC群の5例、鼠径群の3例で内鼠径輪縫縮以外の予定外手術操作を要し、両群間に発生頻度の差はなかった。LPEC群の5例は腹腔鏡下にそれらの操作を行った。術者は日本小児外科学会専門医取得の有無で分類し、男児、女児ともにLPEC群は鼠径群に比べて有意に非専門医が術者であることが多かった。【結語】LPECは鼠径法と同様に1歳以上の小児本症に対する標準術式として妥当と考えられた。(著者抄録)

ID情報
  • eISSN : 2187-8153
  • 医中誌Web ID : 2019120394

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