MISC

2020年2月

【オートファジー-分子機構・生物学的意義・疾患との関わり】オートファジーと疾患 オートファジーと寿命延長

医学のあゆみ
  • 中村 修平
  • ,
  • 吉森 保

272
9
開始ページ
926
終了ページ
932
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
医歯薬出版(株)

近年のモデル生物を用いた解析により、動物の老化や寿命は明確に制御されたプロセスであることがわかり、寿命延長に寄与するいくつかの独立した分子経路が明らかになっている。最近、これら多くの寿命延長経路で、細胞内の大規模分解システムであるオートファジーが共通して活性化しており、このことが寿命延長に必須なことがわかってきた。また、オートファジーの活性化が寿命延長、老化抑制に十分であるという報告もあり、これらの間に正の相関が認められる。一方、多くの動物でオートファジーの働きは加齢とともに低下することが知られているが、その要因はよくわかっていない。この要因を特定し取り除くことができれば最も自然な形で寿命の延長や健康寿命の延長が可能となるかもしれない。最近著者らは、この要因の一端がオートファジーの負の制御因子、Rubicon蛋白質の増加にあることを見出した。事実、Rubiconを抑制するといくつかのモデル生物において寿命の延長や加齢性の表現形改善がみられた。ここでは、著者らの最新の成果も交え、さまざまな寿命延長経路でのオートファジーの関与とその制御機構や役割について、現在までの知見を紹介したい。(著者抄録)

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ID情報
  • ISSN : 0039-2359
  • 医中誌Web ID : 2020139667

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