共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2020年3月

時期特異的Foxc2+間葉系細胞系譜を用いた心血管発生の解析

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
17K10063
配分額
(総額)
4,550,000円
(直接経費)
3,500,000円
(間接経費)
1,050,000円

フォークヘッド転写因子の一つであるFoxc2 遺伝子はリンパ浮腫を伴う疾患の原因遺伝子候補とされている。我々はFoxc2ノックアウト(KO)マウスの心大血管奇形および肺成熟異常との関連性について解析を行い、本遺伝子欠失マウスの肺の発生過程において肺胞上皮の分化の異常とリンパ管形成の異常を呈すること、および器官形成期における肺間葉系細胞でのLef1遺伝子発現が有意に低下することを見出し報告した。しかしながら、Foxc2遺伝子は発生過程のほぼ全ての間葉系細胞で発現するため、従来のCre-loxPを用いた細胞系譜解析、および時期特異性の情報を得ることが困難である。このため、Tamoxifen(TAM) 誘導性Foxc2-Cre (Foxc2-CreERT2)マウスの分与を受け解析を勧める運びとなったが、平成29年度に予定していた凍結保存の搬入と個体の生産が遅れた。
本年度では、凍結胚により搬入されたFoxc2-CreERT2; R26R-LacZ個体を用いた研究環境の整備、即ち他系統への戻し交配を含む繁殖継代コロニーの確立を行い、戻し交配過程で得られた個体を用いた解析手技の確立を中心に、TAM投与により胎齢時期をずらしてFoxc2遺伝子をノックアウトし、ミュータント系における心大血管系の表現型変異の確認を行った。また、Foxc2 ミュータントマウス胚子の鰓弓を用いて、発現遺伝子動態の解析を目的としてRNAシークエンスを行い、Foxc2ヘテロ個体とFoxc2欠失個体における発現遺伝子の比較解析をすすめている。また、Foxc2+/-においても眼球脈絡膜毛細血管板などの血管系の形態異常が確認されているため、今後、感覚器の発生まで対象を広げての解析を計画している。

ID情報
  • 課題番号 : 17K10063