共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2020年3月

集積型反応の連続フロー合成:天然由来の生物機能中分子の高効率合成・変換

日本学術振興会  科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)  新学術領域研究(研究領域提案型)

課題番号
18H04411
配分額
(総額)
5,200,000円
(直接経費)
4,000,000円
(間接経費)
1,200,000円

近年,フラスコなどの反応容器を用いて行う「バッチ合成」に代わり,反応管に原料基質を連続的に送液する「連続フロー合成」に関心が高まっている。本法は、小さい反応設備で大量合成ができることに加え、再現性、安全性などが高い利点があるためである。しかし,複数の触媒を用いる集積型反応をフロー系で行った例はまだ少ない。我々はH28~29年度,本新学術領域に公募研究班員として参画し,酵素/金属混合触媒を用いる動的速度論的光学分割(DKR),並びにフェノール類の求核的脱酸素フッ素化法を開発した。本課題では,この2年間の成果を連続フロー合成に発展させることを主目的として研究を行った。今年度は、以下の成果を得た。
1.固定化リパーゼと固定化オキソバナジウムの2つの触媒を混合充填した反応管を用い、第2級アルコールの連続フロー法によるDKRについて検討を行った。特に、2つの触媒の比率、全体の触媒量、流速等に関して詳細な条件検討を行った結果、目的とする光学活性なエステルを高収率、高光学純度で与える条件を見出した。
2.生物活性化合物の不斉全合成のために必要な,γ位に官能基を有するアリルアルコールのフロー系による速度論的光学分割について大石教授(九大院理)と共同研究を行い、両鏡像体を高収率、高光学純度で生成する方法を見出すことができた。
3.我々がごく最近見出したフロー系によるフェノール類の脱酸素フッ素化法を多様な基質に適用し,本法の基質汎用性を明らかにした。

ID情報
  • 課題番号 : 18H04411