共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2020年3月

出生コホートを用いた乳幼児期の睡眠と神経発達との関連の検証

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
17K01892
体系的課題番号
JP17K01892
配分額
(総額)
4,680,000円
(直接経費)
3,600,000円
(間接経費)
1,080,000円

子どもの良好な発達にとって睡眠は重要な要素であるが、わが国では諸外国と比較して乳幼児の就寝時刻が遅く、睡眠時間が短い傾向にある。このような乳幼児期の睡眠習慣がその後の児の神経発達にどのような影響を及ぼしているかについて、本研究では、一般人口を反映した浜松母と子の出生コホート(HBC study)を用いて乳幼児期から児童期まで睡眠の様相と神経発達の変化を縦断的に追跡し、乳幼児期の睡眠がその後の神経発達に及ぼす影響について検証している。
研究1.【8歳までの出生コホートの追跡】では、浜松母と子の出生コホート (HBC)に継続参加の承諾を得た約1,000名の児とその母親を対象としてい。8歳 (小学校3年生)時に、母子で検査室に来室していただき、直接面接によりBISQによる睡眠の評価とWISC- IVによる神経発達の評価している。
得られたデータは潜在曲線モデルで統計的に解析され、睡眠の偏りと神経発達の縦断的な変化との関連を検証した。その結果、生後10カ月で入眠時刻の遅い群は標準的な減と比較して生後32か月までの表出言語の発達が遅れることを見出した。
研究2.【乳幼児期の就寝時刻後退とADHD・ASDとの関連】では、生後60カ月と8歳の直接面接検査で、ADHD RS-IVによるADHDの評価と、ADOS-2、SRS-2および、分担研究者らが開発したGazeFinder (視覚情報処理の測量機器)によるASDの評価を施行している。得られたデータは潜在曲線モデルで統計的解析することにより、睡眠の偏りと神経発達の縦断的な変化との関連及びADHD・ASD児の特異的睡眠パターンの有無を検証している。
養育環境等の睡眠の背景要因との関連についても検討を進め、乳幼児をとりまく家庭的背景や養育・睡眠環境についても考察を加えることで、乳幼児期の健全な睡眠を保障するための予防的介入や社会政策への応用が期待できる。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17K01892
ID情報
  • 課題番号 : 17K01892
  • 体系的課題番号 : JP17K01892