共同研究・競争的資金等の研究課題

2022年4月 - 2026年3月

船上係留気球による南半球データ空白域での夜光雲観測ー夜光雲全球動態の解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(B)

課題番号
22H01289
体系的課題番号
JP22H01289
配分額
(総額)
13,000,000円
(直接経費)
10,000,000円
(間接経費)
3,000,000円

初年度は南極域での係留気球観測を実現させるための開発を推進した。開発項目は搭載カメラの姿勢安定用の軽量スタビライザー、LoRa通信による安定した位置、気象要素データ送受信モジュール、係留索に負荷をかけない巻き上げ機構である。上記の開発要素を統合した飛揚試験を関係各所との調整の上、2022年9月に茨城県大洗海岸にて実施し、9月13日の午後には200 gのゴム気球と約300 gのペイロード(カメラ+スタビライザー)を高度1,950 mまで77分間で往復させることに成功した。これらの実験によりスタビライザーの効果による係留索回りのカメラの回転が抑えられ、上空で夜光雲を検出するために必要な姿勢安定度を達成可能であることを示すことができた。一方、気球飛揚高度の風速に短時間での緩急がある場合、つり合い高度が変動することによりカメラに係留索と直交する軸まわりの回転が生じ姿勢安定度に影響することが判明した。この問題についてはスタビライザーの改良またはペイロードの吊り下げ方法の工夫により解決する必要がある。以上の試験観測成果については、国内シンポジウム等にて成果報告を行った。また、気球観測を補足する地上カメラネットワークシステムの制御フローの改修も行い、より安定した観測が実現可能となった。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-22H01289
ID情報
  • 課題番号 : 22H01289
  • 体系的課題番号 : JP22H01289

この研究課題の成果一覧

論文

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