共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

電気生理学と分光学の統合によるイノシトールリン脂質ホスファターゼの動作原理の解析

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
19K06585
体系的課題番号
JP19K06585
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

本研究では、イノシトールリン脂質脱リン酸化酵素(PIPase)の酵素活性制御モデルの検証および構造変化解析を行う。具体的には電位依存性ホスファターゼVSPもしくはPTENに導入した非天然蛍光アミノ酸Anapの蛍光・FRET変化を検出することにより活性化状態へと至る構造変化の実体とPIPaseに共通する動作原理を明らかにする。
前年度整備した蛍光・電流同時計測システム(パッチクランプ法による測定が可能な電気生理学装備(AxoPatch200B, Digidata1550B)と高感度scMOSカメラ(Zyla 4.2 PLUS)、高輝度LED)が整備されたため、電流-蛍光リアルタイム同時計測が可能となった。ただし、搭載している高輝度LEDの波長が可視光限定で紫外光に対応しておらず、非天然蛍光アミノ酸Anap(350~380nm付近で励起)の蛍光を計測することができなかった(紫外光の光源はあるが、光源自体を交換する必要があった)。そこで、本年度は新たに可視光~紫外光をカバーする波長範囲の広い光源を導入した(X-Cite mini+)。これにより、Anapと蛍光タンパク質(主に赤色蛍光タンパク質のmCherry)の併用することで、目的タンパク質にAnapが組み込まれており、かつ目的タンパク質が発現しているのかを検証できるようになった。これをふまえ、ホヤ由来VSPであるCi-VSPの細胞質側リンカー部H237にAnapを組み込み膜電位依存的蛍光変化の観測を試みたが、現状では蛍光変化を検出することができていない。次年度は条件検討をすることで蛍光変化の検出を目指し、その後にAnap導入場所のスクリーニングを行うことで、膜電位依存的な構造変化に関する情報を得る。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K06585
ID情報
  • 課題番号 : 19K06585
  • 体系的課題番号 : JP19K06585