共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年7月 - 2023年3月

光駆動型神経機能素子の開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)  挑戦的研究(萌芽)

課題番号
21K19229
体系的課題番号
JP21K19229
配分額
(総額)
6,500,000円
(直接経費)
5,000,000円
(間接経費)
1,500,000円

新しいタイプの光駆動性イオンチャネルおよび光駆動性膜機能蛋白質を創製することを目的とする。光異性化を起こすアゾベンゼンを利用して、電位依存性チャネルの電位センサーを動かし、光によるイオンチャネル活性の制御や電位センサーに付加した酵素などの機能分子の制御を行う。共通する電位センサーをターゲットにすることで、多くの電位依存性チャネルファミリーに適用できるため、これまでの光駆動性ツール(藻類由来チャネルロドプシン)にはない、ネイティブ神経チャネルの高いイオン選択性と軸索細胞膜局在・アクセサリー分子の会合を保つ光駆動性チャネルを次々に作成することが可能となる。これらの取り組みにより、分子構造や動作機構に立脚して戦略的に光駆動性チャネル・光駆動性膜蛋白を創製するプラットフォームを構築する。
本年度は、細胞外領域が殆どなく、ゲートに関係する膜貫通領域がカルボキシ端終末であり人工チャネルのテンプレートとして使いやすいことが期待されれ、BmGr9チャネルおよび、最小の電位センサーチャネルであるHvチャネルを対象に実験を進めた。AlphaFold2により予測した立体構造解情報を基に、チャネルがClosed構造からOpen構造に変化する際に変わる残基間距離を計算した。光異性化距離に相当する残基ペアに、アゾベンゼン誘導体を架橋するためのCys変異を導入した。
ポアヘリックス、近接するヘリックス間距離をアゾベンゼンの光異性化によりコントロールすることを試みた。網羅的に多くの変異体コンストラクトを作成し、変異体チャネルをXenopus卵母細胞に発現させ、アゾベンゼン誘導体をスルフヒドリル反応で付加し、光異性化波長を照射し、電気生理学的に測定した。本年度は、光で操作することができるBmGr9チャネルを3種類得ることが出来た。Hv電位センサーを光で操作するチャネルを得ることは出来なかった。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K19229
ID情報
  • 課題番号 : 21K19229
  • 体系的課題番号 : JP21K19229