2018年10月
大規模医療情報・生命科学データベースを活用したドラッグリポジショニング研究
亜鉛栄養治療
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- 巻
- 9
- 号
- 1
- 開始ページ
- 15
- 終了ページ
- 21
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 日本亜鉛栄養治療研究会
新医薬品の開発により多くの疾患の治療成績が向上している一方で、それらの医薬品によって生じる副作用に対するマネジメントが問題となっている。しかしながら、現在までに医薬品の副作用に対する有効な薬物治療は確立しておらず、副作用に対する予防薬の開発が求められている。これまでの研究で基礎実験レベルにおいては副作用に対する予防薬の候補が見出されているが、実際の患者に対して安全性が不十分であったり、有効性が低いなどの理由で実用化には至っていない。そこで、我々はドラッグリポジショニング手法を用いることで、先述の問題の解決を目指した。ドラッグリポジショニングは既存承認薬の新たな薬理作用を見出し、別の疾患の治療薬として応用する創薬戦略である。既存承認薬はヒトに対する安全性や薬物動態が既知であるため、安全性の確保と開発期間の短縮を両立できる。加えて、実際の臨床データを含む医療ビッグデータを用いて医薬品の新たな作用を見出すことで、実際の患者に対する有効性を期待することができる。本稿では、ドラッグリポジショニング研究に関して概説するとともに、ドラッグリポジショニング研究に用いられるデータベースや創薬ツールを具体的な研究事例とともに紹介する。(著者抄録)
- ID情報
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- ISSN : 2187-574X
- eISSN : 2187-9133
- 医中誌Web ID : 2020039057