2020年7月
血液凝固因子製剤の在庫適正化に向けた取り組みによる薬剤廃棄額の削減効果
日本病院薬剤師会雑誌
- 巻
- 56
- 号
- 7
- 開始ページ
- 803
- 終了ページ
- 808
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- (一社)日本病院薬剤師会
血友病治療に用いる血液凝固因子製剤(coagulation factor:以下、CF)は高価である一方で、在庫流動性が低いという製剤的性質を有するが、これまで適切な在庫管理法の報告はない。徳島大学病院は2017年4月から、診療科と連携したCFの在庫適正化の取り組みを開始した。取り組み開始前である2015年4月〜2017年3月の期間と、取り組み開始後である2017年4月〜2019年3月の期間における血友病患者数、CF調剤薬剤数に差はなかったが、取り組み開始後のCF廃棄額は取り組み開始前と比較して78.4%減少した。また、取り組み開始前後におけるCF購入額に対するCF廃棄額の割合は2.3%から0.3%に減少し、全注射剤廃棄額に対するCF廃棄額の割合は37.7%から10.7%に減少した。以上の結果から、診療科と連携したCFの在庫適正化により、薬剤廃棄額の削減効果が得られることが示された。(著者抄録)
- ID情報
-
- ISSN : 1341-8815
- 医中誌Web ID : U710240010