共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

心筋細胞におけるミトコンドリア機能の細胞内不均一性とその生理的役割の解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
18K06869
体系的課題番号
JP18K06869
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

マウスから単離した心室筋細胞を用いて、ミトコンドリアNa-Ca交換輸送体NCLXと筋小胞体CaポンプSERCA、筋小胞体RyR受容体、細胞膜Na-Kポンプとの蛍光二重免疫染色をそれぞれ行った。超解像顕微鏡システム(ニコンN-STORM;デモ機を利用した)により取得した画像を用いて、NCLXとこれらの分子との共局在解析を行った。その結果、Manders’ coefficientsは、SERCA>RyR>Na-Kポンプの順となり、NCLXとSERCAが最も近い位置に局在することが示唆された。
細胞内構造リモデリング時におけるミトコンドリア機能、ならびに心室筋細胞機能の変化を評価するために、T管破壊の条件を確立した。細胞膜感受性蛍光色素di-8-ANEPPSを負荷した心室筋細胞を1.5 M ホルムアミドで処理すると、sarcolemma由来のシグナルは保持したままT管由来のシグナルがほぼ完全に消失した。すなわち、著しいT管破壊が誘発されることが確認できた。また、蛍光色素TMREを用いてミトコンドリア膜電位を評価したところ、T管破壊によりミトコンドリア膜電位は著しく脱分極していた。一方、control細胞、T管破壊細胞いずれにおいても、細胞内の位置によるTMRE蛍光強度の不均一性は検出されなかった。
既に構築した心室筋細胞数理モデルに、NCLX、SERCA、RyR分子の局在を考慮できるよう新たなコンパートメントを導入し、動作確認を行った。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18K06869
ID情報
  • 課題番号 : 18K06869
  • 体系的課題番号 : JP18K06869