2021年3月
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症維持療法中に副鼻腔炎の増悪を認め、ステロイドを増量することなく、メポリズマブ追加のみで副鼻腔炎、myeloperoxidase-anti neutrophil cytoplasmic antibodies(MPO-ANCA)の改善を認めた一例
中部リウマチ
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- 巻
- 50
- 号
- 2
- 開始ページ
- 17
- 終了ページ
- 18
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 中部リウマチ学会
62歳女性.
57歳時に気管支喘息,副鼻腔炎,多発単神経炎, 末梢血での好酸球増多を認め,皮膚生検で皮下組織上層に類上皮肉芽腫の形成や好酸球浸潤,壊死性血管炎を認め, myeloperoxidaseanti neutrophil cytoplasmic antibodies(MPO-ANCA)陽性から好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)と診断した.ステロイドパルス,後療法プレドニゾロン (PSL)1 mg/kg/日,シクロフォスファミド間欠静注療法で寛解導入を行い,ミゾリビン (MZB)150 mg/日を併用し , PSL 5 mg/日まで減量した後,副鼻腔炎,末梢血での好酸球増多, MPO-ANCAの上昇を認めた.肺,腎臓の障害は認めなかった.このためステロイドを増量せずにメポリズマブ300mg/4週皮下注射を併用した. 6ヶ月後には副鼻腔炎, 末梢血での好酸球増多, MPO-ANCAの改善を認めたため PSLを 2 mg/日まで減量することができた. EGPA再燃時にステロイドを増量することなくメポリズマブ併用のみで疾患活動性を制御した既報は少ない.また MPO-ANCAをメポリズマブによって改善させた十分なエビデンスはないが, EGPAにおいて MPO-ANCA上昇を伴う副鼻腔炎といった軽度の臓器障害であればステロイドを増量することなく,メポリズマブの追加のみで疾患活動性を制御できる可能
性がある.
57歳時に気管支喘息,副鼻腔炎,多発単神経炎, 末梢血での好酸球増多を認め,皮膚生検で皮下組織上層に類上皮肉芽腫の形成や好酸球浸潤,壊死性血管炎を認め, myeloperoxidaseanti neutrophil cytoplasmic antibodies(MPO-ANCA)陽性から好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)と診断した.ステロイドパルス,後療法プレドニゾロン (PSL)1 mg/kg/日,シクロフォスファミド間欠静注療法で寛解導入を行い,ミゾリビン (MZB)150 mg/日を併用し , PSL 5 mg/日まで減量した後,副鼻腔炎,末梢血での好酸球増多, MPO-ANCAの上昇を認めた.肺,腎臓の障害は認めなかった.このためステロイドを増量せずにメポリズマブ300mg/4週皮下注射を併用した. 6ヶ月後には副鼻腔炎, 末梢血での好酸球増多, MPO-ANCAの改善を認めたため PSLを 2 mg/日まで減量することができた. EGPA再燃時にステロイドを増量することなくメポリズマブ併用のみで疾患活動性を制御した既報は少ない.また MPO-ANCAをメポリズマブによって改善させた十分なエビデンスはないが, EGPAにおいて MPO-ANCA上昇を伴う副鼻腔炎といった軽度の臓器障害であればステロイドを増量することなく,メポリズマブの追加のみで疾患活動性を制御できる可能
性がある.
- ID情報
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- ISSN : 0916-6033
- 医中誌Web ID : 2021195407
- J-Global ID : 202102216779521243