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2018年2月

脳症を合併した難治性川崎病の1例

小児感染免疫
  • 藤井 宏美
  • ,
  • 小野 将太
  • ,
  • 梶 俊策

29
4
開始ページ
362
終了ページ
367
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
日本小児感染症学会

症例は4歳女児。発熱4日目に両側眼球結膜充血、口唇紅潮、苺舌、頸部リンパ節腫脹、不定形発疹を認め、川崎病と診断した。群馬大学のスコア10点のため、γグロブリンにプレドニゾロン2mg/kg/dayを併用し加療開始した。第5病日には解熱したものの両側眼球結膜充血や苺舌など川崎病主要症状が残存しており、意識障害が出現した。髄液検査、頭部MRIは異常なかったが、覚醒時脳波では広汎性の徐波を認め、急性脳症の合併が考えられた。川崎病に対する治療のみで意識状態は徐々に改善したが依然として眼球結膜充血が残存しており、その後に発熱を繰り返し難治性川崎病となった。γグロブリンは計6g/kg投与することとなったが、第8病日よりシクロスポリンを併用し、冠動脈病変の合併なく改善した。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 0917-4931
  • 医中誌Web ID : 2018143055

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