共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2020年3月

麻酔薬による糖尿病患者の血小板機能変化の解明と最適な周術期管理法の基盤確立

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究(B)
  • 川本 修司

課題番号
17K16730
配分額
(総額)
3,900,000円
(直接経費)
3,000,000円
(間接経費)
900,000円

①日本集中治療医学会雑誌への発表:ヒト血小板由来マイクロパーティクル(PMP) はプロコアグラント活性と強力な炎症促進作用を有する重要な機能粒子であり、止血作用だけでなく血栓症の病因となる動脈硬化病変の形成にも関連していることが報告されているが、デクスメデトミジン(DEX)等の鎮静薬がPMPに与える影響は不明である。今回、フローサイトメトリーを用いてPMP産生に対するDEXの作用を検討した。結果、DEXがin vitroにおいてα2アドレナリン受容体を介してPMP産生を増加させることを初めて示した。その結果はDEXがα2アドレナリン受容体を介して血小板機能亢進作用を有するというこれまでの我々の研究結果を補うものである。
②2018/6 欧州麻酔科学会(コペンハーゲン)での発表:予定開腹術を受けた非糖尿病成人患者を対象とし、術後ICU入室後採血しPRP(血小板多血漿)を作製した。PRPにDEXまたはプロポフォール(PRO)を添加した後、ADP10 μMで刺激を行い、フローサイトメトリーを用いてP-selectinの発現を測定した。結果、術後ICUに入室した患者において、DEXは濃度依存性に血小板P-selectin発現を亢進させる一方、PROは低濃度でのみ血小板P-selectin発現を亢進させた。
③経過報告:上記結果に基づき、今度は胸腔鏡補助下食道亜全摘術をうける非糖尿病患者および糖尿病患者を対象とし、麻酔導入後と術後ICU入室時に採血し、同様にDEXまたはPROを添加してP-selectin発現を測定した。症例数が十分とはいえないが、糖尿病患者では術前からP-selectin発現量が非糖尿病患者より高く、術後はDEXによる血小板P-selectin発現亢進作用が非糖尿病患者より強く現れる傾向を認めた。さらに症例を蓄積していく予定である。