2010年 - 2012年
25℃遺伝子スイッチ:微小温度差を環境応答に利用する熱帯地域在来ナス科植物の探索
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
トウガラシ(Capsicum chinense) 'Sy-2'の縮葉発生の引き金は 24℃以下の温度であり、24℃以下遭遇によってサリチル酸が生産され、抵抗性遺伝子が過剰に誘発されることが縮葉の原因であるものと考えられた。 'Sy-2'は恒温性地域在来の品種であり、現地では微小な温度をセンシングして病害抵抗性を誘導している可能性が考えられた。しかし、 'Sy-2'をインドネシアのウイルス多発地域で栽培したところ、正常に生育したが、ウイルスには罹病した。次に、恒温性地域で種々のトウガラシ品種を収集した。カリブ海地域には'Sy-2'と同じ微小の温度差で成育不全となる品種が存在することが明らかになった。最後に、インドネシアの在来品種の現地でのウイルスからの回復現象について調査した。インドネシアの恒温性地域で栽培されているトウガラシにはウイルスの罹病後にウイルス病から回復する品種が存在し、恒温性地域で何らかの環境をセンシングしている可能性が考えられた。恒温性地域では植物は微小な温度差をセンシングしている可能性が考えられたが、今回は証明には至らず継続的な研究の必要性があるものと考えられた。
- ID情報
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- 課題番号 : 22405017