2005年 - 2008年
アジア文化圏に生きる女性へのDV支援ガイドライン創生と検証
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
本研究は、主に3 つの目的を達成するために行われた。1 点目は、DV ガイドラインの改訂であった。改訂に向けてデータベースを増やし網羅的検索を行い2,465 件が抽出され、批判的吟味を得て新たなリサーチエビデンスを追加した。第2 に、DV ガイドラインのアジア文化圏の女性への適用を検討することであった。DV ガイドラインを基盤にDV により夫から離れる決断をした在日外国人女性への支援を行ったプロセスを記述し、評価した結果を事例研究としてまとめた。さらに、400 名の在日外国人および日本人を対象にDV に関する実態調査を行った。日本人、外国人とも同様の割合でDV があり(30.1%)、多文化に対応するDV 支援の必要性が示唆された。3 点目は、DV ガイドラインの有効性の検討をすることであった。有効性の検証を目的にクラスタランダム化比較試験と計画していたが、医療者のDV に対する意識の低さから必要な研究協力施設数を得ることができなかった。そこで、第一段階としてアクションリサーチの手法を用いて都市部の病院におけるDV ガイドラインを基盤としたDV への取組みの評価を行った。次に、国内のDV への先進的な取組みを行っている4 か所の医療施設にインタビュー調査を行い、DV への取組みの導入および継続に関する阻害・促進因子を明らかにした。また、医療における取組みを推進する戦略としてDV と子どもの虐待を組み合せた取組みを提案し、実施と評価を通して可能性を検討した。
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- 課題番号 : 17390595
- 体系的課題番号 : JP17390595