共同研究・競争的資金等の研究課題

2005年 - 2006年

集合値写像の非線形スカラー化手法の研究と数理計画問題と統計科学への応用

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)
  • 田中 環
  • ,
  • 磯貝 英一
  • ,
  • 山田 修司
  • ,
  • 谷野 哲三

課題番号
17540108
配分額
(総額)
3,300,000円
(直接経費)
3,300,000円

本研究では,ベクトル最適化の解析的研究を幅広く行い,集合値写像に対する非線形スカラー化関数の性質を解析し,数理計画問題やゲーム理論への応用研究と統計科学における多次元データへの応用研究を行った。
1.非線形スカラー化関数に関する基礎研究とミニマックス理論への応用研究について,「非線形解析学と凸解析学に関する第4回国際会議(NACA2005,沖縄)」において6件の発表を行い,翌年,査読付き論文集に3本の論文が掲載された。内容は,(1)ベクトル値関数に対するCaristiの不動点定理,(2)Fan-KKMの補題を利用したベクトル値鞍点の存在定理,(3)集合値ベクトル最適化問題の有効解であるための最適性条件である。
2.数理計画問題への応用研究として,山田助教授及び大阪大学の谷野教授と,大域的最適化問題の外部近似法についての共同研究を行い,非線形スカラー化関数の計算シミュレーションのできるアルゴリズムを開発した。また,谷野教授が中心となり,アフィンスケール法を利用した大域的最適化によるカオス発生法を編み出し,学術論文として掲載された。
3.統計科学における多次元データへの応用研究として,磯貝教授と協力して,必ずしも滑らかでないノンパラメトリックな確率密度関数の推定問題を考えた。
4.海外では,「一般化凸性と一般化単調性に関する第8回国際研究集会」(イタリア,バレーゼ)と「第3回日中最適化会議(SJOM2005)」(シンガポール)で発表し討論を行った。また,台湾の中原大学,中山大学,清華大学,真理大学,成功大学,彰化師範大学で招待講演を行った。
5.国内では,「非線形解析学と凸解析学の研究」(京都大学数理解析研究所),「数理決定の展開とその応用」(長崎大学経済学部),「数理モデルによる決定とその応用」(高知大学理学部)で発表を行った。

ID情報
  • 課題番号 : 17540108