共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2024年3月

プラズマ乱流マルチスケール相互作用の一般化Langevin描像

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
20K03892
体系的課題番号
JP20K03892
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
3,640,000円
(直接経費)
2,800,000円
(間接経費)
840,000円

プラズマ中で生じる乱流は、大小様々なスケールの揺らぎを作り出す。近年のスーパーコンピュータを用いた大規模数値シミュレーションにより、広くスケールの離れた揺らぎの間にも、相互作用が存在することが明らかになった。本研究では、プラズマ物理・非平衡統計力学・データ科学のアプローチを利用して、プラズマ乱流マルチスケール相互作用を異なるスケール間の相関問題として捉え、コヒーレントな相関項と確率的な無相関項として表す一般化Langevin描像として定式化・体系化することを目指す。
令和2年度は、研究代表者らが理論の基本設計と原理実証を行った射影演算子法に基づく統計データ解析手法[S. Maeyama and T.-H. Watanabe, J. Phys. Soc. Jpn 89, 024401 (2020)]の適用性実証を進めるべく、磁化プラズマ乱流の例として、2次元長谷川-若谷ドリフト波乱流への適用を行った。乱流から帯状流に対する非線形相互作用項に射影演算子法を適用することで、帯状流に対して相関・無相関部分に分離し、相関部分が実効的散逸として働くことを示した。つまり、乱流が無相関項によってノイズ的に帯状流を励起する効果とともに、散逸的に減衰させる実効的渦粘性効果としてあらわされることを意味する。以上の結果は、乱流と帯状流が共存する準定常乱流において、両者の相互作用を一般化Langevin描像として捉える新しい見方を提供する成果である。
また、実施計画に記載していたジャイロ運動論モデルへの適用に関しては、スラブモデルの検証や新たに捕捉電子モードと電子温度勾配モードの相互作用を含む系への適用検討を進めた。
加えて、射影演算子法以外の非線形相互作用の直接評価手法の再考として、三波伝達相互作用の対称化と有向表現に関する共同研究も進め、査読付き論文誌に受理された。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K03892
ID情報
  • 課題番号 : 20K03892
  • 体系的課題番号 : JP20K03892

この研究課題の成果一覧

論文

  3

MISC

  3

講演・口頭発表等

  33

Works(作品等)

  2
  • Shinya Maeyama
    2021年4月28日 - 現在 コンピュータソフト
  • Shinya Maeyama
    2020年3月29日 - 現在 コンピュータソフト

メディア報道

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