2020年4月 - 2024年3月
プラズマ乱流マルチスケール相互作用の一般化Langevin描像
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
プラズマ中で生じる乱流は、大小様々なスケールの揺らぎを作り出す。近年のスーパーコンピュータを用いた大規模数値シミュレーションにより、広くスケールの離れた揺らぎの間にも、相互作用が存在することが明らかになった。本研究では、プラズマ物理・非平衡統計力学・データ科学のアプローチを利用して、プラズマ乱流マルチスケール相互作用を異なるスケール間の相関問題として捉え、コヒーレントな相関項と確率的な無相関項として表す一般化Langevin描像として定式化・体系化することを目指す。
令和2年度は、研究代表者らが理論の基本設計と原理実証を行った射影演算子法に基づく統計データ解析手法[S. Maeyama and T.-H. Watanabe, J. Phys. Soc. Jpn 89, 024401 (2020)]の適用性実証を進めるべく、磁化プラズマ乱流の例として、2次元長谷川-若谷ドリフト波乱流への適用を行った。乱流から帯状流に対する非線形相互作用項に射影演算子法を適用することで、帯状流に対して相関・無相関部分に分離し、相関部分が実効的散逸として働くことを示した。つまり、乱流が無相関項によってノイズ的に帯状流を励起する効果とともに、散逸的に減衰させる実効的渦粘性効果としてあらわされることを意味する。以上の結果は、乱流と帯状流が共存する準定常乱流において、両者の相互作用を一般化Langevin描像として捉える新しい見方を提供する成果である。
また、実施計画に記載していたジャイロ運動論モデルへの適用に関しては、スラブモデルの検証や新たに捕捉電子モードと電子温度勾配モードの相互作用を含む系への適用検討を進めた。
加えて、射影演算子法以外の非線形相互作用の直接評価手法の再考として、三波伝達相互作用の対称化と有向表現に関する共同研究も進め、査読付き論文誌に受理された。
令和2年度は、研究代表者らが理論の基本設計と原理実証を行った射影演算子法に基づく統計データ解析手法[S. Maeyama and T.-H. Watanabe, J. Phys. Soc. Jpn 89, 024401 (2020)]の適用性実証を進めるべく、磁化プラズマ乱流の例として、2次元長谷川-若谷ドリフト波乱流への適用を行った。乱流から帯状流に対する非線形相互作用項に射影演算子法を適用することで、帯状流に対して相関・無相関部分に分離し、相関部分が実効的散逸として働くことを示した。つまり、乱流が無相関項によってノイズ的に帯状流を励起する効果とともに、散逸的に減衰させる実効的渦粘性効果としてあらわされることを意味する。以上の結果は、乱流と帯状流が共存する準定常乱流において、両者の相互作用を一般化Langevin描像として捉える新しい見方を提供する成果である。
また、実施計画に記載していたジャイロ運動論モデルへの適用に関しては、スラブモデルの検証や新たに捕捉電子モードと電子温度勾配モードの相互作用を含む系への適用検討を進めた。
加えて、射影演算子法以外の非線形相互作用の直接評価手法の再考として、三波伝達相互作用の対称化と有向表現に関する共同研究も進め、査読付き論文誌に受理された。
- ID情報
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- 課題番号 : 20K03892
- 体系的課題番号 : JP20K03892
この研究課題の成果一覧
絞り込み
受賞
2論文
3-
統計数理 71(1) 25-45 2023年6月 査読有り筆頭著者
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Physics of Plasmas 28(5) 052512-052512 2021年5月25日 査読有り筆頭著者責任著者
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New Journal of Physics 23(4) 043049-043049 2021年4月1日 査読有り筆頭著者責任著者
MISC
3-
プラズマ・核融合学会誌 99(8) 392-394 2023年8月
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プラズマ・核融合学会誌 99(8) 385-391 2023年8月
-
プラズマ・核融合学会誌 99(6) 286-290 2023年6月
講演・口頭発表等
33-
29th IAEA Fusion Energy Conference (FEC2023) 2023年10月17日 招待有り
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プラズマシミュレータシンポジウム2023 2023年9月27日 招待有り
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日本物理学会第78回年次大会 2023年9月16日
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日本物理学会2023年春季大会 2023年3月22日
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第2回富岳成果創出加速プログラム研究交流会「富岳百景」 2023年3月8日
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核融合フォーラムシミュレーションクラスターサブクラスター合同会合 2022年12月28日
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第39回プラズマ・核融合学会年会 2022年11月25日
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日本物理学会2022年秋季大会 2022年9月13日
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27th International Conference on Numerical Simulations of Plasmas 2022年9月2日
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統計数理研究所共同研究集会「諸科学における統計思考」 2022年8月29日
Works(作品等)
2-
2021年4月28日 - 現在 コンピュータソフト
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2020年3月29日 - 現在 コンピュータソフト
メディア報道
1-
MEITEC fabcross for エンジニア 2022年6月11日 インターネットメディア