2008年 - 2010年
発達障害にみられる社会適応不全の分子機構解明と診断治療法の開発
文部科学省 科学研究費補助金(基盤研究(C)) 基盤研究(C)
Motopsin欠損マウスおよび野生型の成体マウスより切り出した海馬の抽出液を用いて蛍光二次元電気泳動によるプロテオーム解析を行った結果、いくつかのスポットについて違いを見いだした。5スポットについてMS/MSによる同定を試みたところ、βアクチン、アルブミン、ミトコンドリアATPシンターゼ、およびαチューブリンが同定された。が、これらは報告されている局在や機能からはmotopsin欠損に基づく行動異常に関わる可能性が低いと考えられることから、motopsinが最も強く発現する生後10日齢のマウスや社会刺激を付与したマウスなどを用いるなどの条件検討を行い、詳細に解析を進めていく。
これまでの行動学的試験の結果よりmotopsin欠損マウスは異常に亢進した社会的関心を持つことが示唆されているが、学習障害については示唆するデータが得られていない。そこで試行回数を減じてMorris水迷路テストを行った。この場合においても、学習障害は検出されなかったが、統計学的に遺伝子型と学習能との間に交互作用が明らかにされ、motopsinが弱いながらも学習に関与していることが示唆された。さらに、神経機構を明らかにするために、社会行動および学習行動を行った後に神経活性化の指標となるCREBのリン酸化動態について海馬ニューロンにおいて検討を行った。その結果、いずれの行動刺激においても野生型マウスでは海...
これまでの行動学的試験の結果よりmotopsin欠損マウスは異常に亢進した社会的関心を持つことが示唆されているが、学習障害については示唆するデータが得られていない。そこで試行回数を減じてMorris水迷路テストを行った。この場合においても、学習障害は検出されなかったが、統計学的に遺伝子型と学習能との間に交互作用が明らかにされ、motopsinが弱いながらも学習に関与していることが示唆された。さらに、神経機構を明らかにするために、社会行動および学習行動を行った後に神経活性化の指標となるCREBのリン酸化動態について海馬ニューロンにおいて検討を行った。その結果、いずれの行動刺激においても野生型マウスでは海...
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- ID情報
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- 課題番号 : 20591224
- 体系的課題番号 : JP20591224