共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

歯髄炎に起因した異所性異常疼痛に対する三叉神経節細胞間機能連関の分子機構解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究  若手研究

課題番号
18K17077
体系的課題番号
JP18K17077
配分額
(総額)
4,160,000円
(直接経費)
3,200,000円
(間接経費)
960,000円

患者が来院する際に最も多い主訴は歯痛であるが、最近痛みの原因が痛みを感じる部位と全く異なる部位(顔面皮膚、顎関節、歯根膜、舌あるいは口腔粘膜)に異所性異常疼痛が生じる非歯原性歯痛を訴える患者は少なくない。口腔顔面痛を熟知していない歯科医師は、このような異常疼痛を口腔や顔面痛による疾患と誤認し、誤った治療を行ってしまう可能性がある。歯髄炎に起因する口腔顔面領域の異所性異常痛覚は症状が多岐にわたるため、疾患箇所以外に異所性異常疼痛という形で全く異なる部位に慢性の痛みが引き起こされる。
これまでの研究で,三叉神経の損傷や口腔顔面領域の炎症に起因する慢性痛は,口腔顔面領域の感覚障害のみならず,咀嚼機能障害あるいは嚥下障害のような様々な機能にも影響を及ぼすと報告されている。ヒトの歯髄炎では,多くの場合,持続的な歯痛が引き起こされるが,歯髄炎によって末梢神経系が感作されると,しばしば口腔内に異所性の痛覚異常が誘導されることが知られている。口腔顔面の感覚異常や痛覚異常は,誤診あるいは誤治療のような臨床的に深刻な問題を引き起こす原因となる場合が多い。歯髄炎に伴う異所性異常疼痛を解明することは、原因不明の口腔顔面痛により苦しんでいる患者に適切な治療を施し、不適切な歯科治療から患者を救うことに役立つ。
本研究は、歯髄炎によって誘導される異所性異常疼痛に対する三叉神経節細胞間における機能連関の分子メカニズムを明らかにする。TLR4の発現からTRPA1合成に至る細胞内情報伝達経路に着目し、歯髄炎に起因する異所性異常疼痛発症に関する三叉神経節細胞間および細胞内における分子メカニズムの解明を目指す。

リンク情報
URL
https://kaken.nii.ac.jp/file/KAKENHI-PROJECT-18K17077/18K17077seika.pdf
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18K17077
ID情報
  • 課題番号 : 18K17077
  • 体系的課題番号 : JP18K17077