妊娠後期の受動喫煙曝露が正期産のSmall-for-gestational-age(SGA)に及ぼす影響について検討した。北海道内40産科病院で調査協力を依頼し同意が得られた妊婦20788名を対象に、前向き出生コホート研究を実施した。妊娠8ヵ月時に母体血漿を採取し、高感度酵素免疫測定法を用いてコチニン値を測定、SGAは日本小児科学会の在胎期間別出生時体格基準値に従って判定した。ROC曲線下面積は0.554〜0.557を示し、母体血漿コチニンのカットオフ値は3.03ng/mLであった。コチニン値<3.03ng/mLの妊婦と比較して、コチニン値≧3.03ng/mLの妊婦が正期産のSGA児を産むオッズ比は2.44倍高かった。また、能動および受動喫煙曝露されていない妊婦と比較して、受動喫煙のみ曝露された妊婦が正期産のSGA児を産むオッズ比は2.28倍高かった。妊娠後期における妊婦の受動喫煙曝露であっても、能動喫煙曝露と同様に正期産のSGA児を産むリスクがあることが明らかになった。