共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年6月 - 2020年3月

喫煙に起因する低体重出生のリスクを予測するマイクロRNAの探索と役割の解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)  挑戦的研究(萌芽)

課題番号
17K19806
体系的課題番号
JP17K19806
配分額
(総額)
6,500,000円
(直接経費)
5,000,000円
(間接経費)
1,500,000円

近年、我が国では低出生体重児が増加している。妊娠中の喫煙は低出生体重の最も重要な原因のひとつである。出生コホート研究では、妊娠中に喫煙していた女性において、非喫煙者に比べて児の出生時体重が有意に少なくなることが報告されている。またこれまでの疫学研究の結果から、胎児期の発育遅延が成人期の高血圧や糖尿病などの慢性疾患の危険因子になるという概念(DOHaD仮説)が提唱されている。マイクロRNA(miRNA)とは、標的遺伝子の発現を抑制して様々な疾患に関与する短いRNAであり、その発現は化学物質の曝露などの環境因子による影響を受ける。血液中のmiRNAは様々なヒト疾患の新規バイオマーカーとして注目されているが、母子保健領域でmiRNAを疾病のリスク評価に応用する道筋は立っていない。本研究では、研究分担者の岸が主宰する北海道スタディに参加した妊娠後期女性(喫煙者および非喫煙者が各8例、計16例)の血漿におけるmiRNAの発現量への喫煙の影響および児の出生時体重との相関について解析した。その結果、マイクロアレイ解析で児の出生時体重と正の相関を示すmiRNAを見いだしたが、リアルタイムPCRでは一致する結果が得られなかった。その理由として、採血時に使用したヘパリンがリアルタイムPCRにおけるポリメラーゼの活性を阻害するためであると考えられた。そのため、生体試料として出産時に得た全血を利用することとし、喫煙者および非喫煙者の各8例から試料を収集した。今後は、全血中のmiRNA発現に対する喫煙への影響および児の出生時体重との相関を解析する予定である。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17K19806
ID情報
  • 課題番号 : 17K19806
  • 体系的課題番号 : JP17K19806