論文

査読有り
2019年4月

男性に対するネガティブ・イメージは本当に存在するのか? 潜在連合テスト(IAT)で無意識を科学的に測定する

催眠と科学
  • 小野寺 哲夫

32-33
1
開始ページ
63
終了ページ
74
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
日本催眠学会

本研究の目的は、社会心理学領域で発展してきた潜在連合テスト(Implicit Association Test)を用いて、男性に対するネガティブ・イメージの無意識的保持の度合が、ある種のアニメの接触度によって異なってくるのかどうかを検討することである。Nathansonらによって指摘されたように、フェミニズム・イデオロギーが社会に浸透した1990年以降、男性に対するネガティブなイメージが、TVドラマ、映画、アニメ、漫画などのマスメディアを通して流布されてきた。これは「広がるミサンドリー仮説」と呼ばれるが、このような事態が本当に起きているならば、現代人の意識や無意識に男性蔑視的態度が刻み込まれていると考えられる。これらの仮説を確かめるために本研究では、ミサンドリーアニメとして、ワンピース、宮崎駿のアニメ、手塚治虫の作品を選び、それらのアニメに対する接触度と顕在的、および潜在的な男性イメージについて検討した。健常な大学生260名を被験者に、紙筆版潜在連合テストが実施された。被験者は、まず、ミサンドリーアニメへの接触度と男性と女性の顕在的イメージなどが測定された。その後、IATによって、男性と女性の潜在的選好が測定された。潜在的選好スコアが算出された結果、ミサンドリーアニメへの接触度の高群は低群より、「男性-ネガティブ」の潜在的選好(連合)が統計的に有意に強いことが示され、ミサンドリーの存在が示唆された。(著者抄録)

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ID情報
  • ISSN : 0912-6392
  • 医中誌Web ID : 2019311087

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