2010年3月
ペット・クエスチョンの気分状態に与える治療的効果について 解決志向ブリーフセラピーにおける新たな質問技法としての可能性の検討
催眠と科学
- 巻
- 23-24
- 号
- 1
- 開始ページ
- 34
- 終了ページ
- 49
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 日本催眠学会
問いかけ(質問技法)を多用することでクライエントのリソース(資源)を引き出すブリーフセラピーとアニマル・セラピーを統合した動物介助ブリーフセラピーの治療的介入技法の追加的バリエーションとしての「ペット・クエスチョン」の可能性を探ることを目的に、健常な一般大学生・専門学校生182名を対象に、0〜6歳および調査時点でのペットの有無と「慰めの存在」としての移行対象の有無と種類、ペット・クエスチョン(ペットとの肯定的な体験を思い出させる質問)提示前後の気分状態の変化(POMSによる)のリラックス・クエスチョン(過去に深くリラックスした体験を思い出させる質問)との比較、および飼っているペットの有無や種類と家族関係の関連などについてアンケート調査を行った。その結果、ペット・クエスチョンはリラックス・クエスチョンよりも、肯定的な気分状態を喚起し否定的な気分状態を抑制するうえですぐれていることが分かった。また、ペットの中でも犬を飼うことが、対人関係における愛着のパターンや絆を安定的に良好な状態に保ったり、家族関係も円満にする可能性が示唆された。
- ID情報
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- ISSN : 0912-6392
- 医中誌Web ID : 2011166704