共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

放射光軟X線吸収分光法と第一原理計算による炭素材料の複雑構造解析技術の開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
18H02007
体系的課題番号
JP18H02007
配分額
(総額)
14,040,000円
(直接経費)
10,800,000円
(間接経費)
3,240,000円

本研究では,「放射光軟X線吸収分光法と第一原理計算による炭素材料の複雑構造解析技術の開発」を目的とする。本研究では特に工業的に重要であるにもかかわらずその複雑構造解析技術が確立していないカーボンブラック,タール・ピッチ,ゴム,潤滑油/金属摩擦界面に着目し,これらの複雑構造を放射光軟X線吸収分光法(SR-SXAS: Synchrotron Radiation Soft X-ray Absorption Spectroscopy)と第一原理計算で解き明かす方法を確立する。具体的には,(1)ターゲット材料の調製,(2)放射光軟X線測定,(3)第一原理計算による理論解析,(4)解析と評価手法の提案の4ステップで実施する。
2018年度の研究実績を以下に示す。
(1)ターゲット材料の調製: ターゲット材料は予定通り関連企業および外部研究機関から調達した。カーボンブラック系材料は,三菱ケミカル,セキスイ化学,ダイセル,御国色素から,タール・ピッチ系材料は三菱ケミカル,ゴム系材料は東洋タイヤから得た。なお,材料中の金属成分を分析するため,計画通り蛍光X線分析装置を導入した。
(2)放射光軟X線測定: 放射光測定は,計画通り本学NewSUBARUのBL10で15回実施するとともに,米国放射光施設Advanced Light SourceのBL-6.3.2で4回実施した。
(3)第一原理計算による理論解析: バンド計算ソフトCASTEPによる理論解析は計算効率を高めるために,計画通り8コア以上の計算機を新たに導入した。
(4)解析と評価手法の提案: ターゲット材料に対して軟X線吸収スペクトルの形状と試料調製条件との相関を調べ,その相関の妥当性を理論解析から裏付ける。今期は,(1)の材料に対して(2)の放射光軟X線測定を行い,多くのデータを蓄積した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18H02007
ID情報
  • 課題番号 : 18H02007
  • 体系的課題番号 : JP18H02007