基本情報

所属
奈良先端科学技術大学院大学 デジタルグリーンイノベーションセンター 助教
学位
博士(人間科学)(2021年3月 大阪大学)

連絡先
tokuno.soheicdg.naist.jp
研究者番号
50880811
J-GLOBAL ID
202001008049567461
researchmap会員ID
R000005537

 

【1】ポストモダン的パースペクティヴィズムの再検討

20世紀フランスの哲学者、ジル・ドゥルーズの研究を通して、「理性」や「良識」によって人間を普遍的に特徴づけることなしに、個人や集団の多様な価値観を肯定する立場を検討しています。平たく言えば、人間はそれぞれ見ている世界も、正しいと思っていることも違う、こういった直感を守りつつ、いかに個人と社会の結びつきの可能性を再考できるかを考えています。

最近の関心としては、「超越論的経験論」と呼ばれる個人のあり方の移り変わりを記述する議論における、「個体化」「強度」「作品」といった概念の連関や、科学的なものの位置づけについて調査しています。

 

【2】サルトル及び、実存主義の批判的受容史を踏まえた20世紀フランス思想史

ドゥルーズ研究を行っている際に、私は何を示唆しているのかわからない文章にたびたび出くわしました。フランスのポストモダンの文章を読んだ方の中には、同様の感想を抱いた方も多いと思います。様々な背景を調査してみた結果として、現在私は、その原因が、実存主義の批判的受容史が踏まえられていないことにあると考えています。こういった観点から、ジャン=ポール・サルトル、モーリス・メルロ=ポンティ、ジャン・イポリット、ジュール・ヴュイユマンなどの議論に注目し、ポストモダンの議論の土台を再検討しています。

 

【3】科学技術政策に見られる研究者像についての拡張的な研究

上記のような哲学の応用先の一つとして、研究者像の問い直しを考えており、具体的には「責任ある研究・イノベーション」(RRI)の考え方に注目しています。RRIとは、大まかに言えば、欧州で採用された、社会との関わりにおける科学技術研究の原則を示すものであり、日本の科学技術政策に影響を与えたことでも知られています。しかし、研究者を社会へ開くことを要請するRRIの考え方の中には、「自分自身の関心をつきつめる」という伝統的な研究活動のイメージと乖離する部分があることも確かです。こうした状況の中で、私は、20世紀フランス哲学やネオ・プラグマティズムなどの知見を用いて、研究者像の新しい定式化を目指しています。

 


学歴

  3

論文

  12

書籍等出版物

  1
  • 近藤, 和敬, 桧垣, 立哉 (担当:分担執筆, 範囲:コラム2「ドラマ化の方法――初期ドゥルーズの自然哲学と実存」pp.143-148)
    人文書院 2024年7月 (ISBN: 9784409031322)

主要な講演・口頭発表等

  34

主要な担当経験のある科目(授業)

  7

共同研究・競争的資金等の研究課題

  3

学術貢献活動

  1

社会貢献活動

  5