2019年4月 - 2022年3月
ダメージ関連分子パターンに着眼した肺線維化関連疾患に対する新規治療法の開発
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
本研究は、特発性肺線維症 (IPF) を中心とした肺線維化におけるDAMPs・線維化パスウェイの役割を解明し、肺の異常線維化疾患に対する新規治療法の開発を目的とした。IPF患者の肺組織・血漿ではDAMPsの代表的蛋白であるS100A8/A9の高発現を呈し、S100A8/A9刺激・炎症惹起による肺線維化促進の機序が示唆された。S100A8/A9蛋白はRAGEを介して線維芽細胞の増殖・炎症惹起・線維化を誘導し、さらに抗S100A8/A9中和抗体の投与によりこの線維化誘導は抑制された。そして、肺線維症マウスモデルにおいて、抗S100A8/A9中和抗体は肺線維化を抑制し、予後を改善することを示した。
- ID情報
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- 課題番号 : 19H03746
- 体系的課題番号 : JP19H03746