共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年6月 - 2021年3月

増幅遺伝子のコピー数の制御機構の解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)  挑戦的研究(萌芽)

課題番号
19K22566
体系的課題番号
JP19K22566
配分額
(総額)
6,500,000円
(直接経費)
5,000,000円
(間接経費)
1,500,000円

独自に樹立したゲムシタビン耐性細胞であるMGEM6細胞とMGEM8細胞においてRRM1遺伝子コピー数が増加しており、染色体の観察からも遺伝子増幅が起こっていた。これらの細胞のBHLHE41のドキシサイクリン発現誘導細胞を単離してRRM1のコピー数の減少が再現よく起こることを見出している。このときにRRM1遺伝子アンプリコンの構造とRRM1以外の領域のゲノムで変化が起こっているかどうかを配列レベルで知るために、次世代シークエンスPac-Bioを用いてロングシークエンスによる全ゲノム配列解析を行った。COVID19の影響をうけて業者の選定が遅れたことや一部のサンプルの単離に時間を要しため遅れが生じたが、年度終了にあわせて配列データを入手した。現在この配列データからゲノムコピー数の変化を解析中である。
また、p53が野生型である肺腺癌細胞A549についてもBHLHE41のドキシサイクリン発現誘導株を作成した。ドキシサイクリンによるBHLHE41発現誘導によってp53のタンパク質発現が高まることを確認している。このときp53の下流でp21の発現上昇は確認できるが細胞死を誘導するBAXのmRNAとタンパク質の発現は上昇せず、アポトーシスの亢進は観察されなかった。この時BHLHE41発現によってBAXの5'UTRのルシフェラーゼ活性化が低下することを観察した。BHLHE41はE-BOXに結合することが報告されており、BHLHE41が直接BAX遺伝子の5'UTR領域に存在するE-BOXに結合する可能性が高まった。そこでBHLHE41がBAXの5'UTRに直接結合するかどうかを明らかにするために、すでにヒトBAXの5'UTRの結合することが分かっているP53の抗体を陽性コントロールとしてChIPの条件検討中である。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K22566
ID情報
  • 課題番号 : 19K22566
  • 体系的課題番号 : JP19K22566