講演・口頭発表等

2012年9月

高温高圧水中におけるステンレス鋼すき間内の表面酸化皮膜成長挙動

腐食防食協会第59回材料と環境討論会
  • 相馬 康孝
  • ,
  • 加藤 千明
  • ,
  • 山本 正弘

記述言語
日本語
会議種別
開催地
旭川

高温高圧純水中において低炭素ステンレス鋼のすき間内で生成した表面酸化皮膜をSEM, STEM-EDX、及びRaman分光法により分析した。すき間の幅を制御可能な試験片を用い、すき間の幅や開口部からの距離などの形状的な因子が表面酸化皮膜に及ぼす影響と、その部位における溶存酸素濃度との関係について考察を行った。この結果、すき間部においては、すきま開口部からの距離に依存して、表面酸化皮膜の断面構造及び組成の異なる4つの領域が現れた。すべての領域で皮膜は外層酸化皮膜及び内層酸化皮膜からなる2層構造を有した。外層酸化皮膜の組成は開口部からの距離とともに低溶存酸素側の皮膜に変化した。内層酸化皮膜の厚さは開口部からの一定の距離で最大を示し、それ以上では減少した。これらの酸化皮膜性状の違いは溶存酸素濃度、すき間内部におけるイオン濃縮、及びpHの変化に依存すると推測された。