2020年4月 - 2023年3月
生体反射を指標とした複数感覚情報の同時性に関する無意識的な知覚処理の検討
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
本研究の目的は,生体の反射(瞬目)という極めて低次の無意識的な応答を利用し,複数感覚情報の同時性に関する知覚処理を網羅的に検討することである。多感覚情報の対応関係を決定するため,同時性は必要不可欠な情報である。これまでの研究では,言語報告やボタン押しなどで主観的な報告に基づいていたため,「この場面では同時に感じるはずだ」など,判断や応答のバイアスの影響が含まれていた。本研究では,判断や応答のバイアスが介在しないヒトの生体反射である瞬目反射と古典的条件づけ手法を組み合わせた新たな実験手法を用いることで,複数感覚情報の時間処理に関する低次の精緻な知覚処理の存在を実証する。そのためには,まず瞬目条件づけを用いた実験環境の整備を行うことが必要である。
今年度は,共同研究者の協力を得ながら,瞬目条件づけを行うために目に空気を提示する環境を整えることが出来た。その上で,光と音を対提示しながら瞬目反射を測定する実験プログラムの開発も行った。以上のように実験環境の整備・開発を行ったうえで実験のパイロット実施を行った。得られたデータを確認したところ,使用を予定していた眼球運動測定カメラを用いた計測では,目を閉じるという明示的な瞬目応答を捉えることが出来たものの,目の筋肉が動くという微細な瞬目反射を捉えることが出来ないことが判明した。したがって,眼球運動測定カメラの代替となる瞬目反射計測系を開発する必要があることが明らかとなった。
今年度は,共同研究者の協力を得ながら,瞬目条件づけを行うために目に空気を提示する環境を整えることが出来た。その上で,光と音を対提示しながら瞬目反射を測定する実験プログラムの開発も行った。以上のように実験環境の整備・開発を行ったうえで実験のパイロット実施を行った。得られたデータを確認したところ,使用を予定していた眼球運動測定カメラを用いた計測では,目を閉じるという明示的な瞬目応答を捉えることが出来たものの,目の筋肉が動くという微細な瞬目反射を捉えることが出来ないことが判明した。したがって,眼球運動測定カメラの代替となる瞬目反射計測系を開発する必要があることが明らかとなった。
- ID情報
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- 課題番号 : 20K03484
- 体系的課題番号 : JP20K03484