2020年4月 - 2023年3月
アブラムシの一次寄生蜂と二次寄生蜂の寄生関係の制限要因の解明
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
1) 主要二次寄生蜂の中でAsaphes suspensus, Syrphophagus tachikawai, Dendrocerus carpenteri, D. laticeps, Alloxysta victrixの5種と主要一次寄生蜂5種(コレマンアブラバチ、ギフアブラバチ、ダイコンアブラバチ、ニホンアブラバチ、ナケルクロアブラバチ)の組み合わせについて、その適合性を実験室内で調査した。その際、一次寄生蜂の寄主となるアブラムシ種の影響を考慮するために、寄主が害虫アブラムシの場合とバンカー法で想定される代替寄主アブラムシの場合の両方について調べた。その結果、寄主アブラムシの影響は確認されなかった。また、外部寄生性二次寄生蜂(A. suspensus, D. carpenter, D. laticeps)は全ての一次寄生蜂に寄生可能であったが、内部寄生性二次寄生蜂はナケルクロアブラバチには寄生できなかった。ダイコンアブラバチには内部寄生性二次寄生蜂の中でS. tachikawaiは寄生可能であったが、A. victrixは寄生不可能であった。
2) 内部寄生性二次寄生蜂S. tachikawaiおよびA. victrixについて、ダイコンアブラバチおよびナケルクロアブラバチに対する寄生行動を観察した。その結果、S. tachikawaiはナケルクロアブラバチを雌成虫の寄主探索段階で寄主として認識できないが、その他の組み合わせではいずれも寄生が行われる事が明らかとなった。従って、A.victrixと一次寄生蜂の不適合性は寄生時の免疫システム等によるものであることが示唆された。
3) 施設圃場において、コレマンアブラバチおよびナケルクロアブラバチの混用バンカー上で、それぞれの種に寄生する二次寄生蜂種を観察したところ、実験室内の結果と同じ種構成であることが明らかになった。
2) 内部寄生性二次寄生蜂S. tachikawaiおよびA. victrixについて、ダイコンアブラバチおよびナケルクロアブラバチに対する寄生行動を観察した。その結果、S. tachikawaiはナケルクロアブラバチを雌成虫の寄主探索段階で寄主として認識できないが、その他の組み合わせではいずれも寄生が行われる事が明らかとなった。従って、A.victrixと一次寄生蜂の不適合性は寄生時の免疫システム等によるものであることが示唆された。
3) 施設圃場において、コレマンアブラバチおよびナケルクロアブラバチの混用バンカー上で、それぞれの種に寄生する二次寄生蜂種を観察したところ、実験室内の結果と同じ種構成であることが明らかになった。
- ID情報
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- 課題番号 : 20K06061
- 体系的課題番号 : JP20K06061