共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年8月 - 2025年3月

行動経済学の政策応用ー医療、防災、防犯、労働、教育ー

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(S)  基盤研究(S)

課題番号
20H05632
体系的課題番号
JP20H05632
配分額
(総額)
196,820,000円
(直接経費)
151,400,000円
(間接経費)
45,420,000円

新型コロナ感染症の感染対策を呼びかける効果的なメッセージの研究を行った(Sasaki, Kurokawa, Ohtake(2020))。この論文では、第一回の緊急事態宣言中に6つのメッセージをオンライン調査でランダムに送付し同一個人を4回に渡って追跡調査し、感染対策への効果を検証した。その結果、3密回避などの感染対策が身近な人の命を救うという利他的利得メッセージが実際に人との接触を避けることに短期的には効果的だった。しかし、メッセージを繰り返すことで意欲には効果が残ったが、実際の行動への影響は観察されなくなった。
大竹・坂田・松尾(2020, 行動経済学)は、豪雨災害時に早期避難を促すナッジメッセージの効果検証を行った。広島県民を対象にしたアンケート調査をもとに、仮想的に災害が発生した状況で、行動経済学的なメッセージが住民の避難意思に対して与える影響について分析した。また、8ヶ月後に行った追跡調査によって、長期的な意識や行動変容についても検証した。その結果、社会規範と避難行動の外部性を損失表現あるいは利得表現で伝えるメッセージが直後の避難意思形成に効果的であることを明らかにした。一方、追跡調査の結果によれば、避難行動の外部性を利得表現で示したメッセージが長期的な避難意識や避難準備行動につながっていた。
Lee, Ohtake (2021, Journal of Happiness Studies)は、他者の所得が幸福度に与える影響について日米比較を行った。他者意識が高い人ほど日本では不幸だが、米国では幸福であること、米国で見られた他者意識と幸福度の正の関係は、意識の高い人が下方比較するという参照集団の所得知覚に起因することを明らかにした。

リンク情報
URL
https://kaken.nii.ac.jp/file/KAKENHI-PROJECT-20H05632/20H05632_saitaku_shoken_ja.pdf
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20H05632
ID情報
  • 課題番号 : 20H05632
  • 体系的課題番号 : JP20H05632

この研究課題の成果一覧

論文

  12

書籍等出版物

  1

講演・口頭発表等

  7

社会貢献活動

  1