MISC

2021年2月

反すうと刺激の感情価による潜在的回避行動の差異の検討

認知療法研究
  • 佐藤 秀樹
  • ,
  • 関野 拓紀
  • ,
  • 伊藤 理紗
  • ,
  • 鈴木 伸一

14
1
開始ページ
77
終了ページ
86
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
日本認知療法・認知行動療法学会

本研究の目的は、反すうを実験的に操作したうえで、反すうと刺激の感情価による潜在的回避行動の差異を検討することであった。大学生31名を対象に実験を行い、最終的に28名を分析対象とした。実験対象者を反すう群と統制群に無作為に割り付けたうえで、自記式尺度・反すうの実験操作・接近-回避課題を実施した。接近-回避課題では、怒り表情と中性表情ごとに接近行動と回避行動の反応時間の差分値をAAT得点として算出した。AAT得点で正の値が大きいほど接近行動が強く、負の値が大きいほど回避行動が強いことを表す。本研究の結果から、実験操作によって状態反すうと感情状態は悪化するものの、その影響は接近-回避課題後までは持続しないことが示された。また、反すうをすることで怒り表情に対する潜在的回避行動が促進されることが示された。本研究の結果をふまえ、顕在的回避行動と潜在的回避行動の観点から、反すうと回避行動の因果関係について考察した。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 1883-2296
  • 医中誌Web ID : V222060028

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