1991年 - 1992年
世界資金循環の短期的および中長期的分析
日本学術振興会 科学研究費助成事業 総合研究(A)
世界資金循環の短期的および中長期的分析のための多くの基礎作業がなされた。
時系列分析については、第一に一国経済における為替資産市場の短期均衡と株価と金利の変動のメカニズムについていくつかの研究成果がえられた。第二に世界資金市場のショックの波及過程の短期的分析にとってクルーシャルに重要な時系列分析の手法についてはユニット・ルート・テストとコインテグレーションについていくつかの新しい手法が開発された。第三に、多数国間均衡の均衡を考える際の基礎作業として政策の国際協調についての分析がなされた。こうした作業に基づいた時系列モデルによる国際的金利連関分析については、現在日独米の3ヵ国の簡単なVARモデルを連結する試みが伊藤を中心になされつつあるが、最終結果を得るにはいたっていない。
ISバランス・分析については、旧社会主義国資金需要の推計と世界貯蓄と世界投資函数の推計による資金供給推計値つきあわせという方向で久保庭を中心に作業が現在さらに進行中である。
国際金融システムに関しては多方面にわたって研究成果が得られた。途上国の累積債務問題、円の国際化、日本の経常資本収支における現状と将来、日本の直接投資とODAのあり方等についての研究が完成した。しかし望ましい国際金融システムのあり方についての政策的分析を行うことは今後の課題として残されている。
過去2年間にわたる作業は、基礎作業の点では多大の成果をうみ、23編の論文と関連データベースからなる報告書を提出することができたがオペレーショナルな世界資金循環モデルを作成し、政策提言に結びつけるという最終目的は必ずしも達成されていない。引続いて努力を払う所存である。
時系列分析については、第一に一国経済における為替資産市場の短期均衡と株価と金利の変動のメカニズムについていくつかの研究成果がえられた。第二に世界資金市場のショックの波及過程の短期的分析にとってクルーシャルに重要な時系列分析の手法についてはユニット・ルート・テストとコインテグレーションについていくつかの新しい手法が開発された。第三に、多数国間均衡の均衡を考える際の基礎作業として政策の国際協調についての分析がなされた。こうした作業に基づいた時系列モデルによる国際的金利連関分析については、現在日独米の3ヵ国の簡単なVARモデルを連結する試みが伊藤を中心になされつつあるが、最終結果を得るにはいたっていない。
ISバランス・分析については、旧社会主義国資金需要の推計と世界貯蓄と世界投資函数の推計による資金供給推計値つきあわせという方向で久保庭を中心に作業が現在さらに進行中である。
国際金融システムに関しては多方面にわたって研究成果が得られた。途上国の累積債務問題、円の国際化、日本の経常資本収支における現状と将来、日本の直接投資とODAのあり方等についての研究が完成した。しかし望ましい国際金融システムのあり方についての政策的分析を行うことは今後の課題として残されている。
過去2年間にわたる作業は、基礎作業の点では多大の成果をうみ、23編の論文と関連データベースからなる報告書を提出することができたがオペレーショナルな世界資金循環モデルを作成し、政策提言に結びつけるという最終目的は必ずしも達成されていない。引続いて努力を払う所存である。
- ID情報
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- 課題番号 : 03301081
- 体系的課題番号 : JP03301081