共同研究・競争的資金等の研究課題

1991年 - 1991年

日本の株式市場における取引ル-ルの研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業  一般研究(C)

課題番号
03630059
体系的課題番号
JP03630059
配分額
(総額)
1,000,000円
(直接経費)
1,000,000円

欧米の証券取引所と異なり,日本の証券取引所にはスペシャリストと呼ばれるディ-ラ-が存在しない。その化わり,才取り会員と呼ばれる仲買人が,売りと買いをマッチングする競争売買方式がとられている。平成3年度の研究では,東京証券取引所から得たデ-タを使い,実証研究を行った結果,日本の取引ル-ル(ザラバ方式)の特徴として以下の結果が得られた。
(1)売買高の大きい銘柄では,欧米のスペシャリスト市場と同様に,価格の変動がある一定の値幅の中で上下動勤をくり返す(つまり,負の系列相関を持つ)ことがわかった。
(2)売買高の小さい銘柄では,いわゆるザラバに特有と居われるボランティリティ-の大きな値動きが見られた。
これらの結果から,ザラバ方式の正しい理解は,それをディ-ラ-の存在しない市場であるとみなすことではなく,取引所の会員が自由にディ-ラ-として参加できる制度とみなることであることがわかる。すなわち,売買高の大きい主要銘柄に関しては,かなりのディ-リングが行われており,市場は流動性の高いものとなっている。その反面,売買高の小さな銘柄にかんしては,流動性は低く,値動きのリスは高い。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-03630059
ID情報
  • 課題番号 : 03630059
  • 体系的課題番号 : JP03630059