Sep, 2016
卵黄腸管嚢胞の一例
KKR札幌医療センター医学雑誌
- Volume
- 13
- Number
- 1
- First page
- 57
- Last page
- 62
- Language
- Japanese
- Publishing type
- Publisher
- KKR札幌医療センター
症例は2歳6ヵ月、男児。発熱と腹痛を主訴に当科入院となった。血液検査では白血球数、CRP値の上昇を認め、抗生剤治療を行うも症状改善に乏しかった。入院4日目に腹痛の増強や臍周囲の硬結を認め、腹部造影CTでは臍から膀胱直上まで連続した膿瘍を腹膜外腔に認めた。臨床所見から尿膜管遺残膿瘍と診断し摘出術が行われたが、術後病理組織では尿膜管構造ではなく腸管構造を認めており、最終的に卵黄腸管嚢胞と確定診断した。卵黄腸管嚢胞はまれな疾患であるが、小児の腹痛時に考慮する必要があり、尿膜管遺残膿瘍との鑑別が必要と考えられた。(著者抄録)
- ID information
-
- ISSN : 1881-6207
- Ichushi Web ID : 2017268967