論文

査読有り
2015年10月

Fe-B-C合金の相状態に関する基礎試験

Journal of Nuclear Science and Technology
  • 須藤 彩子
  • ,
  • 西 剛史
  • ,
  • 白数 訓子
  • ,
  • 高野 公秀
  • ,
  • 倉田 正輝

52
10
開始ページ
1308
終了ページ
1312
記述言語
英語
掲載種別
DOI
10.1080/00223131.2015.1016465

BWRのシビアアクシデントでの制御棒ブレードの崩落進展理解のためには、燃料破損データベースを構築する必要がある。しかし制御棒の主成分であるFe-B-C系の相状態は、特にB, Cリッチな領域において未だ不確実な点が多い。本研究では制御棒ブレード崩落解析の基礎データとして、制御棒ブレードの溶融開始に影響すると考えられる共晶点付近の組成領域のFe-B-C合金3種を作製し、1073K, 1273Kの相状態解明のための試験を行った。XRD及びSEM-EDXの結果は、Fe$_{0.68}$B$_{0.06}$C$_{0.26}$の領域ではJAEA熱力学データベース(JAEA-DB)とは異なり、1273KでFe成分を多く含む相を持つことが明らかとなり、1273KでのCementite相の固溶範囲の再評価が必要であるとの知見を得た。また、溶融開始温度の測定結果から、熱力学解析では3種の合金の間で融解温度に約40Kの差が出ると予想されたが、本実験では、3種の合金すべてが約1400Kで溶融が開始したため、JAEA-DBではCementite相の生成自由エネルギーが過大評価されている可能性があることを明らかにした。

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.1080/00223131.2015.1016465
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5048738
ID情報
  • DOI : 10.1080/00223131.2015.1016465
  • ISSN : 0022-3131

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