基本情報

所属
東北大学 研究推進・支援機構リサーチ・マネジメントセンター 特任教授,首席リサーチ・アドミニストレーター (博士(教育情報学))
学位
博士(教育情報学)(東北大学)

researchmap会員ID
B000262741

専門は教育工学,科学技術社会論(Science and Technology Studies: STS),ガバナンスを理論的に研究する科学政策(Science Policy for Theoretical Governance Studies),人工知能(AI)に支援された適応的学習環境の構築.教育工学の基盤の上に,データサイエンスと人工知能(AI)を融合させた,次世代の適応的学習環境(Adaptive Learning Environment)の構築を研究の主軸に据えている.その研究は,教育実践の経験則からの脱却を図り,エビデンスベーストな教育(Evidence-Based Education)を追求するものである.

 北海道文教大学外国語学部国際言語学科准教授,秋田大学教育推進総合センター教授,明星大学明星教育センター教授を経て,東北大学研究推進・支援機構リサーチ・マネジメントセンター特任教授.

国際ICT利用研究学会(理事),人工知能学会,コンピュータ利用教育学会,教育システム情報学会の会員.


 📊 大規模実証データに基づく学習行動のモデリング
核心となる研究課題は,eラーニングシステムから収集される大規模な学習実証データにある.これは,単なる学習履歴ではなく,学習者のインタラクション,応答時間、ナビゲーションパターン,誤答傾向といった微細な行動ログを含むビッグデータである.

このデータを対象に,データサイエンス的手法(例:プロセス・マイニング,機械学習)を適用し,学習者の認知的・情意的特性を非侵襲的に推定する学習者モデル(Learner Model)を構築している.これにより,特定の学習活動やコンテンツ構造が,異なる特性を持つ学習者に与える学習効果への影響を定量的に評価し,学習特性と学習効果の関係性に関する実証的知見を創出している.


🧠 適性処遇交互作用(ATI)のAIによる最適化
菅原教授の研究は,教育心理学の古典的な概念である「適性処遇交互作用(ATI: Aptitude-Treatment Interaction)」を,AI技術によって現代的に再定義し,実現することを目指している.

従来の教育研究において,ATIは特定の「適性」(例:認知スタイル,先行知識)を持つ学習者に対して,特定の「処遇」(例:指導法、メディアタイプ)が最適であるという理論的枠組みに留まりがちであった.これに対し,菅原教授は,構築された学習者モデル(適性)に基づき,インストラクショナルデザイン(ID)の原則をリアルタイムで適応させるAIベースの処遇生成システムを開発している.

このシステムは,IDの構成要素(例:メッセージデザイン、フィードバックの種類とタイミング、コンテンツの提示順序)を動的に操作し,個々の学習者に最適な学習経路(Optimal Learning Path)を提供するものである.具体的には,AIが学習の進行に伴って学習者モデルを絶えず更新し,その時点での学習者の認知的負荷や理解度に応じたカスタマイズされた処遇(Personalized Treatment)を提示することで,従来の「一律の教育」では到達し得なかった学習成果の最大化を図っている.


🚀 研究の射程と社会実装
この研究の拡張性は,eラーニング環境に限定されず,ブレンディッド・ラーニングや反転授業といった多様な教育形態への応用可能性を内包している.菅原教授の取り組みは,教育における個別最適化のパラダイムシフトを牽引するものであり,生涯学習,企業内教育,そして公教育の場における教育の質保証と効率化に貢献する極めて学術的価値の高いものである.

 


主要な論文

  82

MISC

  49

書籍等出版物

  20

講演・口頭発表等

  100

担当経験のある科目(授業)

  41

共同研究・競争的資金等の研究課題

  9