講演・口頭発表等

酸素K殼XANES領域の軟X線照射によるDNA損傷の収率変化

第26回日本放射光学会年会・放射光科学合同シンポジウム
  • 菅谷 雄基
  • ,
  • 成田 あゆみ
  • ,
  • 椎名 卓也
  • ,
  • 白石 伊世
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  • 藤井 健太郎
  • ,
  • 横谷 明徳

開催年月日
2013年1月
記述言語
日本語
会議種別
開催地
名古屋
国・地域
日本

緩衝液の塩を含まないプラスミドDNA(pUC18)のみの薄膜を作成し、この薄膜に対して酸素XANES領域の軟X線を照射したときに生成されるDNA鎖切断や塩基損傷、APサイトを定量した。軟X線照射は、SPring-8のBL23SUから得られる高分解能の単色軟X線を利用した。作成したDNA薄膜をAFMにより観察すると、リング状に広がった膜であった。AFM像から推定した厚みは200nmであり、酸素K殻XANES領域のX線は充分透過することがわかった。ピリミジン塩基損傷及びプリン塩基損傷、APサイトの検出は、それぞれNth, Fpg, Nfoの3種類のDNAグリコシレースで処理しSSB(single strand break)に変え、アガロース電気泳動法によって定量した。得られた結果は、酸素の1sイオン化閾値を超えた場合と比較し、1sから反結合軌道への励起によりDNA損傷収率は大きく減ることが明らかになった。またイオン化閾値以上では、特にピリミジン塩基損傷の収率が増大することも明らかになった。酸素XANES領域近傍のエネルギーで、さまざまな損傷の収率の絶対値や損傷間の相対値が、軟X線のエネルギーに大きく依存することが結論される。

リンク情報
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5039351