共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

地域文化の再生を通じた「持続可能な社会」の実現に向けた事例研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
19K12524
体系的課題番号
JP19K12524
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

「地域再生」や「持続可能な社会の構築」を論じる時に地域文化の再生は避けて通れない課題である。継承、保護といった文化そのものの課題だけではなく、地域社会に与える社会的な機能の回復や伝統的な知識の発掘といったその複合的機能の再生も注目されている。本研究では、石川県能登半島、岐阜県長良川地方、和歌山県みなべ・田辺地方の3つの「世界農業遺産」登録地域で、文化の複合的機能の再生と地域の価値を新しく創り出すために奮闘している若者の動向に注目し、調査を実施することで、日本社会における地域文化の再生を通じた「持続可能な社会」の実現の現状を把握し、文化再生における地域的な課題解決のヒントを探るものである。
2021年度は主に北陸3県と京都を中心に農文化における歴史的な資料の収集を行った。主に、文化が地域の社会的機能の回復において果たす役割に注目しコミュニティ構築、資源活用、後継者の育成、学校教育などの面で多くの資料を取得できた。さらに、現在取り組んでいる地域人材育成やそれぞれの地域創生活動において様々な実践活動に活かした。また、集めた取材資料に基づいて、地域の歴史・地理的背景、近代の様々な動向などの学術的な先行研究を照らし合わせて、彼らの活動を文化と活動の2つの側面から現状、課題、傾向などを分析し、検証を行った。当初予定していた岐阜県長良川地方、和歌山県みなべ・田辺地方の45歳以下のU・Iターンや地元の若者の活動事例の取材は新型コロナウイルスの影響で行うことができかったが、前年度に続けて能登においては10名の活動事例に対する取材活動を行った。また、オンライン会議などを重ねて、国内外の研究者や活動家らと交流活動や成果発表などを行うことで、業界研究者からアドバイス、提案などを得ることができた。さらに、収集した資料の分析を行なっており、成果をまとめて来年度論文として発表する予定である。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K12524
ID情報
  • 課題番号 : 19K12524
  • 体系的課題番号 : JP19K12524