2006年
広範な内頚静脈内腫よう塞栓を伴う甲状腺乳頭癌の1例
日本臨床外科学会雑誌
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- 巻
- 67
- 号
- 1
- 開始ページ
- 28
- 終了ページ
- 32
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.3919/jjsa.67.28
- 出版者・発行元
- 日本臨床外科学会
症例は77歳の女性. 2002年夏より頸部腫瘤の増大を訴え,近医受診.精査にて甲状腺乳頭癌と診断された.当科での術前CT, MRIで甲状腺左葉に10&times;9.5&times;6.5cm大の腫瘍と左内頸静脈内に腫瘍塞栓を認めた.術中所見では5cm大の左内頸静脈内腫瘍塞栓を認め,甲状腺全摘術と左内頸静脈の合併切除を施行し,肉眼的には癌の遺残を認めなかった.<br> 甲状腺分化癌は一般的に予後良好な腫瘍であるが,局所浸潤をきたす症例は比較的予後不良であるとされる.内頸静脈浸潤を伴った甲状腺分化癌の外科的治療は,現在まで数症例でその有用性が報告されている.特に肉眼的に腫瘍を摘出しうることが重要であるとされる.<br> 本症例は肉眼的腫瘍の遺残なく,手術を施行し,術後TSH抑制療法にて経過観察中である.本人の希望により<sup>131</sup>I内照射療法は施行されていないが,術後現在まで28カ月間,再発を認めない.
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.3919/jjsa.67.28
- ISSN : 1345-2843
- eISSN : 1882-5133
- 医中誌Web ID : 2006073393
- CiNii Articles ID : 130003604712