共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2021年3月

超金属欠乏星の観測と大規模シミュレーションによる銀河初代星の起源の解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(A)  基盤研究(A)

課題番号
17H01101
体系的課題番号
JP17H01101
配分額
(総額)
44,720,000円
(直接経費)
34,400,000円
(間接経費)
10,320,000円

宇宙の初期に形成された星はどのような性質を持つのであろうか。このような星は現在、銀河系のどこにどれだけ残存しているのだろうか。本研究の目的は、測光・分光観測に基づいてこれらの古い星の探査とスペクトル解析を実行し、宇宙初期における星形成の物理過程と関連する階層的合体による銀河形成史を解明することを目的とする。このような古い星は超金属欠乏星として存在する予想から、これらを選択的に抽出するために、これらの星に特徴的な波長帯に合わせた狭帯域フィルターを製作し、すばる望遠鏡超広視野カメラHSCに装着して、銀河系古成分恒星系(バルジ、ハロー、矮小楕円体銀河)の系統的な測光観測を推進する。そして、この観測によって得られる超金属欠乏星の統計解析を行い、初代星の形成理論と銀河形成論に基づいた大規模理論シミュレーション結果と比較検討することにより、銀河初期の星形成史を解明することを目標とする。
本年度は、前年度までに完成したすばるHSC用狭帯域フィルター2枚を用いて、実際に超金属欠乏星の探査観測をどのように進めて行くかを、フィルターの特性を考慮して検討を行うことができた。また、HSCによる戦略枠の観測サーベイで得られたデータから新しい矮小銀河候補を発見し、そのメンバー星の分光観測を実施することができた。理論研究も推進し、大規模なシミュレーションを実施して初代星の質量分布や空間分布に関する知見を得ることができた。さらに、これまでの研究成果について、内外の研究会や科学雑誌にて発表することができた。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17H01101
ID情報
  • 課題番号 : 17H01101
  • 体系的課題番号 : JP17H01101