2021年4月 - 2021年9月
雌性配偶体の細胞運命決定機構の解明
日本学術振興会 科学研究費助成事業 先進ゲノム支援 若手研究
雌性配偶体は被子植物の繁栄を支える重複受精に不可欠な組織である.形成過程は独特で,1つの細胞が3回の核分裂を経て多核体となった後に細胞化し,それぞれ固有の機能を獲得する.各細胞の運命決定には多核体での核の位置や植物ホルモンの分布の違いが重要であると示唆されているが,その時期や分子実体は明らかでない.これまでの申請者の研究から4核期後半には細胞の運命が決まることが示唆された.本研究では,シロイヌナズナの2核期,4核期の多核体に着目した顕微細胞操作とライブイメージング,逆遺伝学的解析をおこない,運命決定を担う遺伝子の選抜と生理機能解析を進める.これにより雌性配偶体の細胞運命決定を担う分子基盤を明らかにすることを目的とした.
今年度は,2核期から4核期のRNA-seqとライブイメージングのための準備を進めた.雌性配偶体の核を標識するマーカーラインを作出して,酵素処理による単離条件の検討をおこなった.4核期の胚珠から2核だけを含むプロトプラストの遊離が見られたため,4核期の珠孔側と合点側の2核ずつを別の色で標識する系統の作出を進めた.RNA-seqデータ取得後のデータ解析手法の準備として,これまでに取得した成熟期の雌性配偶体の卵細胞、中央細胞、助細胞と助細胞機能が欠損した変異体の助細胞の遺伝子発現を比較したところ,変異体の助細胞の遺伝子発現が部分的に卵細胞様に変化することを見出した.この成果をまとめた論文を近日投稿予定である.また,卵細胞のデータを交えた国際共同研究を進めて論文を発表することが出来た.今回確立した解析パイプラインは本研究で取得するデータ解析にも応用可能である.
今年度は,2核期から4核期のRNA-seqとライブイメージングのための準備を進めた.雌性配偶体の核を標識するマーカーラインを作出して,酵素処理による単離条件の検討をおこなった.4核期の胚珠から2核だけを含むプロトプラストの遊離が見られたため,4核期の珠孔側と合点側の2核ずつを別の色で標識する系統の作出を進めた.RNA-seqデータ取得後のデータ解析手法の準備として,これまでに取得した成熟期の雌性配偶体の卵細胞、中央細胞、助細胞と助細胞機能が欠損した変異体の助細胞の遺伝子発現を比較したところ,変異体の助細胞の遺伝子発現が部分的に卵細胞様に変化することを見出した.この成果をまとめた論文を近日投稿予定である.また,卵細胞のデータを交えた国際共同研究を進めて論文を発表することが出来た.今回確立した解析パイプラインは本研究で取得するデータ解析にも応用可能である.
- ID情報
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- 課題番号 : 19K16172
- 体系的課題番号 : JP19K16172